6-3-2-3 ガスモニタ

 ガスモニタは、原子力施設等の作業環境や排気中に含まれる放射性ガス濃度を連統的に測定、監視します。モニタの選択に当っては、目的とするモニタリングに適合する捕集方法,検出方法(検出器選択)および測定方法を選択する必要がある。

 表3.2.3にガスモニタのモニタリング例を示す。

表3.2.3 ガスモニタリング例
被測定対象捕集方式検出器測定方式備考
β線放射性ガス ガスサンプラ方式 GM計数検出器またはプラスチックシンチレーション検出器 パルス系/計数率計 41Ar, 85Kr, 133Ⅹe等
低エネルギーβ線放射性ガス 通気式電離箱 電離電流系/振動容量形電位計 3H,14C等
γ線放射性ガス NaI(Tl)シンチレーション検出器 パルス系/計数率計 41Ar, 85Kr,等
揮発性放射性ガス 吸着捕集方式 NaI(Tl)シンチレーション検出器 パルス系/計数率計 129I, 131I等

(1) 捕集方法
 放射性ガス濃度測定は図3.2.3に示しますように、放射能濃度を測定しようとする箇所の空気は吸引ポンプを用いて検出部に誘導され、検出器で放射能を検出し、その出力を測定系へ送り指示記録および警報表示を行う。ガスモニタを設置する施設は同一箇所の放射性ダストの濃度を測定する場合が多く、この場合はダストサンプラの後方に直列に接続し、同一のポンプを用いてサンプリングを行う。ガスモニタを単独設置する場合は空気中の浮遊粒子状物質の影響を除くためプレフィルタを設ける。測定対象により捕集方法にはつぎの種類がある。
 
1) ガスサンプラ法
 この方式は、主に41Arや85Krなど放射性希ガス(不活性ガス)の測定に用いられ、測定しようとする箇所の空気をガスサンプラ内に誘導し、サンプラ中央に設置された検出器で測定する。ガスサンプラには鉛遮蔽を施し、外部からのγ線による影響を除くようにする。3Hや14Cなどの低エネルギーβ線放射物質の測定は、検出器に直接測定する空気を流し込み電離電流を測定する方法を用いる。サンプリング流量はサンプラ内空気の置換速度を考慮して決定する。検出感度は一定限度までサンプラの容積に従って増加する。
2) 吸着捕集方法
 この方法は、129Iや131Iのような揮発性放射性物質の測定に用いられ、サンプラ内の活性炭を含浸したろ紙、あるいは活性炭を充填したカートリッジに吸着させ捕集する。サンプリング流量は流量が大きくなるほど検出感度が良くなるが、吸着効率を考慮し実用的には100NL/min以下で使用している。

ガスモニタ概略ブロック図

 

図3.2.3 ガスモニタ概略ブロック図

(2) 検出方法
1) 測定対象となる核種,エネルギーおよび測定濃度等によりモニタとして使用する検出器を選択し、目的とする放射性ガス濃度の測定を行う。

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