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- 6 放射線計測ガイド
- 6-2 放射線計測の基礎
- 6-2-2 放射線検出器
- 6-2-2-8 光刺激ルミネセンス(OSLD)素子
6-2-2-8 光刺激ルミネセンス(OSLD)素子
- 1. 種類
- 2. 電離箱
- 3. 比例計数管
- 4. GM計数管
- 5. 半導体検出器
- 6. シンチレーション検出器
- 7. 熱ルミネセンス(TLD)素子
- 8. 光刺激ルミネセンス(OSLD)素子
- 9. 蛍光ガラス(RPL)素子
- 10. 固体飛跡線量計(SSNTD)
- 11. 放射線検出器の適用分類
光刺激ルミネセンス(OSLD:Optically Stimulated Luminescence Dosimeter)に一般的に使用されている検出素子は、炭素添加アルファ酸化アルミニウム(α-Al2O3:C) で放射線を受けると発光する蛍光体である。この検出素子に放射線を照射すると素子内部で電離がおこり、励起電子の一部が格子欠損や不純物による捕獲中心に留まる。この捕獲された電子に可視光で刺激を加えると、電子は捕獲中心から離れ、発光中心となった正孔と再結合する際に発光する。
検出素子が放射線を受けてから光で刺激されるまで、捕獲された電子は受けた放射線量の記憶の役目を果たし、光刺激の際に検出素子の発光量を測定することで、放射線量を知ることができる。1回の光刺激では捕獲された電子の一部しか解放されないため、複数回の測定が可能で、長時間の光刺激で捕獲電子の多くを解放することにより、再利用が出来る。
図2.2.8 OSLD素子の発光プロセス