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- 6 放射線計測ガイド
- 6-2 放射線計測の基礎
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6-2-2-2 電離箱
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- 7. 熱ルミネセンス(TLD)素子
- 8. 光刺激ルミネセンス(OSLD)素子
- 9. 蛍光ガラス(RPL)素子
- 10. 固体飛跡線量計(SSNTD)
- 11. 放射線検出器の適用分類
電離箱とは、放射線がその電離作用により気体中で作るイオンを電極に集める際に得られる電気信号を利用するものである。特徴はイオン対が再結合せず、かつ2次的な電離を生じないような範囲でバイアス電圧が印加されることにある。この状態を飽和と呼ぶが、飽和領域(図2.2.3-1 バイアス電圧と電離電流の関係)においては生成した電荷がすべて電離電流として寄与し、この電流と入射放射線量間に正比例関係が成立する。
電離電流は10-15~10-12Å程度を測定範囲としているものが多く、直流増幅器との接続部における防塵、防湿対策が必要である。なお、3Hや14Cのような低エネルギーβ線放出核種を測定する場合には、電離箱の入射窓でβ線が吸収されることを避ける為、測定気体を直接電離箱内に流し込み、そのとき発生する電離電流を測定する。この目的で作られた電離箱は通気型電離箱と呼ぶが、性能維持の為、空気取込み口に除湿器やイオン除去装置を取り付けて使用する。
図2.2.2に代表的な電離箱の外観例を示す。
図2.2.2 電離箱の外観