1-4-6 多点監視制御システム

 多点監視制御システムには、監視を主とするものと制御を主とするものとがある。

 多点監視システムは、当初は、電話リレー等による手動、あるいは自動のスキャナと、自動平衡計器やA/D変換器との組み合せで、プロセスデータのモニタや記録に使用していた。

 その後いわゆるデータロガとして、自動スキャナにA/D変換器を組み合せて、プロセスデータの上下限監視を行うと共に、タイプライタによる時報やシフト報、日報を作成するものとして、プラントオペレータの省力をかかげて製品化された。

 最近ではデータロガのうちスタンドアロン的用途のものは、ハイブリッドレコーダにおきかわりつつある。一方において、従来のデータロガは高速A/D機能、多点スキャナ機能および一次演算処理機能が買われ、コンピュータのフロントエンドとしての使用形態が増えてきている。温度・圧力・流量等多くのデータを収集し、データの集中管理や解析を行う場合、データをコンピュータへ取り込み、オペレータにより読み易い情報に解析処理したいという要請があり、最近のパーソナルコンピュータの発達がこれを可能にしてきたため、パーソナルコンピュータと組み合せるアプリケーションが増えてきている。

 ここではデータロガやオフラインで計算機にデータを供給するようなデータ収録装置が掲載してある。

 一方、多点制御システムを歴史的にみると、繊維工業やプラスチック工業あるいは、炉計装等に使用された多点のオンオフ制御装置がその初めの形であろう。たとえば、合成繊維の延伸撚糸機の温度制御等のために、多点の温度入力(熱電対、測温抵抗体)をスキャニングして取り込み、オンオフ出力によって電気ヒータを直接制御するものが、1950年代後半から1960年代前半に現れている。

 その後、この種のコントローラには、半導体技術の発達によって、各点ごとに設定や警報を群管理するような多点温度制御システムも現れている。

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