1-6-2 パッケージソフトウェア

 この章で取り上げるパッケージソフトウェアとは、プロセス計測制御用の制御、監視、管理パッケージである。近年、計算機技術が進歩しており、計装システムとしてメーカ固有の専用のハードウェアではなく、ワークステーション、パソコンを使用するケースが多くなってきた。市販のパソコンやワークステーション上で動くプロセス計測制御用のパッケージは多種多様なものが出回っており、計装システムの製品群の中で、ソフトウェア製品の比重が増える傾向にある。どのようなパッケージソフトウェアを選択するかもエンジニアリングを進める上で重要な項目となっている。

 この章では、市販のパソコンやワークステーションで動作するパッケージを紹介する。
 前述したように、パッケージソフトウェアの種類は多岐にわたっており、一様に論じることは出来ない。この項では、便宜上、そのパッケージソフトウェアが使われる場面を考え、パッケージソフトウェアを以下の分類で分けてみた。

  1. 制御系設計用サポートパッケージ
  2. スケジューリング用パッケージ
  3. 運転・監視用パッケージ
  4. 診断・保全用パッケージ

 制御系設計用サポートパッケージは、制御系のモデル化、制御系の解析に使用されるパッケージ、システム自身のシミュレーション、プラントのデータ解析等に用いられるソフトウェアを含んでいる。ファジィなどのアドバンスト制御を実現するためのパッケージもある。
 スケジューリング用パッケージは、連続バッチプロセス、プロジェクト管理などに必要なパッケージである。
 運転・監視用パッケージは、近年のパソコンを使用した計装システムでは、中心的な役割を果たしている。運転・監視以外に制御自身の機能を含めたものもある。ここでは、運転監視の画面作成ツールもこのパッケージソフトウェアの中に含めている。

 システムが高度で複雑化するのに伴い、システムが正常に運転されるよう保つために、システムの監視、診断、修復が容易にできることが望まれる。このような要求から保全のためのシステム・ソフトウェアが生れてきた。

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