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4-1-3 質量、圧力
(1)質量
質量、重量、力の関係をニュートンの法則により整理し直してみると、力(N)=質量(kg)×加速度(m/s2)、重量(N)=質量(kg)×その場所の重力の加速度(m/s2)で表すことが出来る。質量の検出は、その物体に作用する重力すなわち重量を検出し、それを質量に換算して表示する。それを行うための検出器をはかりと称する。はかりは従来の商取引上の用途に加え、高感度の特長を活かして、研究開発分野での分析等の精密測定に広く利用されている。分析等の精密測定に用いられるはかりである電子天びんには、電磁力平衝式、ロードセル式、振動式等の方式があり、ひょう量、分解能等により方式の使い分けがなされている。
(2)力
負荷される力、重量に応じた電気信号を出力する荷重変換器は、ロードセルと言われる。測定しようとする力、重量を、弾性体の変形(たわみ、ひずみ)などに変換し、さらに、変形量を電気抵抗、静電容量、インダクタンス、周波数の各変化で検出し、あらかじめ定めた校正曲線によって、力、重量を決定するものである。電気抵抗変化を利用したひずみゲージ式のロードセルが多く市販されている。代表的なロードセルの構造例を図1.1に示す。
トルク(N・m)は、上記の力に作用点までの長さを乗じたものである。トルクの検出方式は弾性体の変形(ねじれ角、ひずみ)を電磁ピックアップやひずみゲージ等のセンシング素子を用いて計測する方式や、モータの駆動電流から負荷トルクを算出する方式がある。これらのトルク検出器は、OA機器のステップモータから内燃機関等に至る広い分野の回転体のトルク計測に利用されている。
(3)圧力
圧力は、任意の面の単位面積に働く力の大きさとして定義される。SI単位はパスカル(Pa)で、N/m2に与えられた固有の名称である。圧力は基準の取り方によって、絶対圧、ゲージ圧、差圧の3通りで表される。絶対圧は、完全真空を、ゲージ圧は大気圧を基準とし、工業的にはゲージ圧が広く用いられている。差圧は、2つの圧力系の圧力差を表す。これらの圧力センサは、流量、液面及び温度センサとともに、プロセスオートメーションを支える4大センサであり、豊富な積類の圧力センサが市販されている。実際の圧力測定に際しては、圧力範囲、精度、用途、測定環境、形状、応答性等を考慮したセンサの選定が必要である。