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IEC/TC65 国内委員会
IEC/TC65国内委員会は、IEC(国際電気標準会議)のTC(テクニカルコミッティ)の一つであるIEC/TC65(工業用プロセス制御)に対応した国内委員会で、JEMIMAが委託を受け運営しています。国際標準化の文書審議を中心に、国際標準化の啓発活動にも力を入れています。
IEC/TC65国内委員会の概要
IEC/TC65国内委員会は、国際のIEC/TC65に対応した組織構成で、国際標準化の文書審議を中心に、国際標準化の啓発活動にも力を入れています。国際標準化の啓発活動には、JEMIMA会報への審議情報の寄稿や、展示会等でのセミナーなどのほか、国際標準化活動に貢献した個人の労に報い、人材の確保と育成に資することを目的に行っている、国際標準化活動表彰があります。
- IEC/TC65(工業用プロセス計測制御)の業務範囲と組織構成
TC65の業務範囲は、連続プロセスおよびバッチプロセスに関する工業プロセス計測制御・オートメーションに使用されるシステムおよび、その構成要素の国際標準(国際規格、技術仕様書等)を作成することです。TC65には大きな分野別に下記4つの分科委員会(SC)が設置され、その分野に関連する各種グループ(例:WG:作業グループ)が置かれています。さらにSCに属さない横断的な分野を担当するグループはTC65直下に設置されており、TC65のグループの総数は50を超えIECのなかで最も大きなTCの一つです。
以下にそれぞれの組織の業務範囲の概要を示します。
① TC65:工業用プロセス計測制御
工業用プロセスにおける計測、制御と自動化のためのシステムと機器に関する国際標準の作成。安全やセキュリティの側面を含むこれらシステムへのコンポーネントと機能の統合に影響を与える標準化活動の調整。この標準化作業は、機器およびシステムの国際的な分野で実施されることになっている。
② SC65A:システム一般
産業プロセス測定、制御および製造の自動化に使用されるシステム一般に関する国際標準化を担当している。対象技術領域として、EMC(電磁環境両立性)規定、システム評価の方法論、機能安全などが含まれる。
③ SC65B:計測及び制御機器
測定装置、分析装置、アクチュエータ、プログラマブルロジックコントローラなどの工業プロセス計測および制御に使用される機器(ハードウェアおよびソフトウェア)に関する相互互換性、性能評価、機能定義などの国際標準化を担当している。具体的には温度伝送器、圧力伝送器、流量計、レベル計、調整弁、PLC、分析計、ファンクションブロックなどが対象となる。
④ SC65C:工業用ネットワーク
産業プロセス測定、制御およびオートメーションに関わる計装システムの有線、光、無線の産業用通信ネットワークの国際標準化を担当し、ケーブル接続、フィールドバス、高可用性通信、工業用無線ネットワーク、無線共存管理などが含まれる。
⑤ SC65E:企業システムにおける装置及び統合
エンタープライズシステムにおける産業オートメーションシステムとデバイス統合に関する国際標準化を担当している。製品諸元リスト(LOPs)、データ交換(OPC-UA)、統合モデル、フィールド機器ツール(FDT, EDDL, FDIなど)、デバイスプロファイルなどが含まれる。
- IEC/TC65国内委員会
IEC/TC65国内委員会は、IEC/TC65の国際組織とほぼ同等の組織で構成されています。国内委員会には、評議会、諮問委員会、SC国内委員会(4)、WG国内委員会(40以上)の組織があり、延べ800名を超える国内委員により構成されています。WG国内委員会は、基本的に国際のIEC/TC65のWG組織に対応して組織されますが、関連性のある複数の国際WGの審議を、統合的に審議するWG国内委員会もあります。
IEC/TC65国内委員会の文書審議
IEC/TC65国内委員会は、IEC中央事務局から送付される審議文書を審議しています。以下に審議中を含むこれまでの審議文書リストを示します。
日本の意見反映への取り組み
プレナリ国際会議や個別専門委員会などで、積極的な活動を続け、日本からの規格提案をはじめIEC 国際規格審議において日本の意見を規格に反映する努力を行っています。
一例として、「工場・プラントとスマートグリッドに関する国際標準化」や「機能安全規格とセキュリティ規格の両立に関する国際標準化」に関する規格開発があり、どちらも日本が提案し国際コンビナー(個別専門委員会の統括者)を担っています。また昨今注目が集まっているスマートマニュファクチャリング関連の国際標準化活動においても、IEC/TC65 が中心的な役割を担い、日本も積極的な活動を行っています。
JEMIMA会報への審議情報寄稿(国際標準化の啓発)
国際標準化活動の現場で何が起きているのか、また経営的にどんなインパクトがあるのかをご理解いただくことを目的に、IEC/TC65に関する国際標準化事業の成果を、できるだけ平易な言葉でタイムリーに報告しています。(連載の主旨は2018年1月号.pdfを参照ください)
Vol、No. |
タイトル |
執筆 | 概要 |
2024年 |
計測制御システムのセキュリティ標準IEC 62443の最新動向 およびIEC 62443-2-1 Edition 2.0の概要 |
IEC TC65/WG10 国際エキスパート 藤田 淳也(株式会社日立製作所・研究開発グループ) |
IEC TC65/WG10では、産業プロセスの計測制御システムのセキュリティ(Security for industrial process measurement and control - Network and system security)の標準化を推進している。この標準はIACS(Industrial Automation and Control System)に関するセキュリティの概念、各役割における要求事項、要求事項の実践に関するガイドラインからなる規格群である。IACSとは、ソフトウェア・ハードウェアからなる計測制御に関する情報処理システム(Automation Solution)に加えて、そのシステムの運用にかかわる人、業務(Policies and Procedures)も含む概念であり、システム、コンポーネントの技術的セキュリティ対策に加えて、管理・運用といった非技術的セキュリティ対策も含まれる。2009年7月にIEC 62443-1-1 Edition 1.0が発行されてから今日まで15年に渡り開発、改定が続く標準である。これまでに発行されたJEMIMA会報にてIEC 62443の開発状況を紹介してきたが、本稿では、現時点でのIEC 62443規格群の開発状況、および2024年8月7日にIS(国際規格)発行となったIEC 62443-2-1 Edition 2.0の主な改定内容、そして今後の展望を解説する。 |
2024年 |
IEC 63278-1アセット管理シェル(AAS)構造の概要 |
IEC TC65/WG24国際エキスパート |
アセット管理シェル(Asset Administration Shell、以後AAS)は、製造設備の標準化されたデジタル表現であり、2018年4月ドイツのPlattform Industrie 4.0(PI4.0)から"The Structure of the Administration Shell: TRILATERAL PERSPECTIVES from France, Italy and Germany"という国際論文[1]が公開されたところから始まる。PI4.0は2019年3月にも"Usage View of the Asset Administration Shell"というディスカッションペーパー[2]を公開した(IEC 63278-1のAnnex Bに現存)。そして2019年8月IEC TC65からドイツ提案でこれらの論文を使ったNP(New Work Item Proposal 新業務項目提案)が発行された(JEMIMA会報 Vol.58 No.3/2021 15~17頁参照[3])。このNPが回付されている最中の同年10月IECから"Semantic interoperability: challenges in the digital transformation"というWhite Paper[4]が公開された(Semantic Interoperability:意味的相互運用性)。この中でAASとSemantic Interoperabilityが結び付けられたことと併せてTC65においてAASとInteroperability(相互運用性)が脚光を浴びるようになった。2020年7月にはドイツSCI4.0(Standardization Council Industrie 4.0)から"German Standardization Roadmap Industrie 4.0 - Version 4(ドイツ標準化ロードマップ Ver4)[5]"が発行され、Interoperabilityの中核技術はAASであることが示された。 この段階で述べられたAASはまだ概念的でかつ多くの技術と複合していたことから、国際規格として使えるようにTC65で標準化するには既存組織のカバー範囲を超えてしまうため、上記のNPでは新たなWG(作業グループ)を設置することが提案されていた。この時、TC65内には既に情報を構造化するIEC/TC65/WG16デジタルファクトリー(JEMIMA会報 Vol.57 No.2/2020 14~19頁参照[6])が存在していたため、日本はNP投票時にIEC/TC65/WG16で扱うべきとコメントしたが、NPが可決された結果として新たにTC65/WG24(Asset Administration Shell for Industrial Applications)が組織され、2020年2月にキックオフ会議が開催されてNPはIEC 63278-1として開発がスタートした。 2019年8月にNP回付された後、CD(Committee Draft 委員会原案)、CD2、CDV(Committee Draft for Vote 投票用委員会原案)を経て、2023年5月のFDIS(Final Draft International Standard 最終国際規格案)までの約4年間、コロナ禍で対面会議が制限された状況の中で、TC65/WG24は1回2~4時間のリモート会議(日本は夜8~12時)を約60回実施した。NP, CD, CD2, CDVでは各段階100件を超えるコメントがあり、各段階約半年・10回のリモート会議の中で、曖昧な内容の具体化、記載内容の刷新・削除、を繰り返し、本稿で説明する最終的な内容を確定した。 日本は回付毎に多くのコメントを出すだけでなく、会議ではドイツ、フランスと一緒に議論の中心になって提案や発言を行い、AASの標準化において大きく貢献した。 本稿は、2023年5月に65/1012/FDISとして回付されたIEC 63278-1 ED1 Asset Administration Shell for industrial applications - Part 1: Asset Administration Shell structureの概要である。(2023年12月国際規格(IS)発行済) |
2024年 |
新規提案特集 新規提案からグローバルの技術動向をつかむ(2022~2023年) |
1章、6章:IEC/TC65/SC65A/MT61508 国際エキスパート 横河電機株式会社 関野 宏美 |
IEC TC65では、毎年多くのプロジェクトの新規提案が行われており、それらの審議・投票が行われている。新規提案の状況を知ることは、世界の最新技術や国際標準化の動向を知る上で重要である。そこで、TC65国内委員会では、近年、新規提案の状況を報告してきており、本誌Vol.59, No.4(2022年10月)では、2020年11月から2022年4月までの新規提案について紹介した。本稿では、表1に示すように2022年5月から2023年12月までの新規提案を一覧で紹介するとともに、その中で特に重要と思われる以下の4件の新規開発プロジェクトについて、その経緯や審議状況を報告する。 1) ISO/IEC TS 22440 機能安全とAIシステム - 要求事項 2) IEC 63278-4 アセット管理シェル - Part 4:ユースケースとモデリング 3) IEC TS 63069 安全とセキュリティのフレームワーク 4) IEC 61406-2 識別用リンク - Part 2:タイプ/モデル、ロット/バッチ、アイテム及び特性 報告にあたっては、特に「ビジネス的観点と背景」の節を設け、読者が事業への影響や方針を検討できるようわかりやすい記述を心掛けた。また、いずれも標準の開発が進行中であり、各国からのコメントや今後の議論により内容が変わっていく可能性がある。しかし、規格開発に参画している国際エキスパート(執筆者)の個人的な解釈や見解を盛り込むことで、各プロジェクトの状況をわかりやすく解説することを試みた。 |
2024年 |
日本発のFEMSの国際規格(IEC 63376)提案活動 |
IEC/TC65/JWG14 国際エキスパート、JWG17 共同コンビナ |
2023年の夏、世界各国で猛暑や異常気象が観測され、国連事務総長は「地球が沸騰している時代が到来し |
2023年 |
国際標準化活動報告 IEC 62682 |
IEC SC65A/WG15国際エキスパート |
プロセスオートメーションにおいても、不適切なアラーム管理が尊い人命を脅かし、莫大な費用を要する大規模な労働災害につながる可能性があることは様々な過去の事例が示す通りである。また、効率化や少人化などの要請から、より少ないオペレータでより広範囲な領域の監視・操作が求められるようになってきており、オペレータの負担が大きくなる傾向がみられる。 アラームの管理が適切に行われていないと、不必要なアラームや過剰なアラーム(迷惑アラーム)によりアラームの洪水を引き起こしたり、アラームの優先度や受け手(対応者)、対応方法が不明確であることにより、オペレータを混乱させ、ミスを誘発したりするなど、インシデント(事故につながる事象)への対応を困難にする。 アラームの洪水を回避し、オペレータの負担を軽減し、オペレータが重大なアラームに迅速かつ適切に対応できるようにすることで、発生したインシデントの影響を最小限にし、事故につながる重大なインシデントの発生を回避することが重要である。アラームを継続的に適切に管理することはユーザにとって重要な課題であり、国内でもアラームを適切に管理することにより、アラーム発報数を大幅に削減し、オペレータ環境を改善した事例が報告されている。 アラーム管理の標準化の取り組みは、過去の不適切なアラームシステムに起因する事故を機に、欧州を中心としたユーザ団体から始まり、その後、International Society of Automation (ISA) において、米国のユーザを中心に行われてきた。 そのISA規格を国際規格として広く世界に普及させるべく、IECにおける活動が開始され、2022年12月にIEC国際規格のIEC 62682: Management of alarm systems for the process industries 第2版が改訂発行されたので、その概要を以下に紹介する。 |
2023年 |
IEC TC65プレナリ会議 |
IEC TC65国内委員会 |
2023年3月20日~24日に、IEC TC65プレナリ会議(総会)がイギリス/ロンドンにて開催された。総会は |
2023年 |
無線共存管理(IEC 62657シリーズ)の解説 |
TC65/SC65C/WG17国内委員会幹事 国際エキスパート |
工業用無線ネットワーク関連の国際標準化活動を紹介する。スマート製造や産業用IoTを支えるフィールドネットワーク技術の1つとして、省配線化、ネットワーク構築の柔軟性、拡張性などの優位性から、無線通信を用いたアプリケーションの工場・プラントへの導入が進められている。 製造現場のIT化が進む中、現場作業支援用のWi-Fiを利用したモバイル端末や、現場の監視強化を目的とした無線センサーネットワークなど複数の異なる無線通信技術が適材適所で使われるようになっている。一方で、無線通信用の電波の周波数資源は限られており、同一環境下に複数の無線通信を用いるアプリケーションが共存する状況では、相互の電波干渉に配慮する必要がある。他の無線アプリケーションからの電波干渉の影響を受けると通信性能の低下や安定性が欠如し、各アプリケーションの必要条件を満足できなくなるリスクがある。今日、工場での無線技術の利活用の範囲が拡大する中で、電波干渉の影響を低減させるための無線電波の管理、すなわち無線共存管理が増々重要となってきている。無線共存管理は、工場の無線アプリケーションの安定した通信や、通信周波数の効率的な利活用のために複数の無線システムの周波数資源を適切に配分して電波干渉を低減させるための管理を行うことである。 特に複数ベンダによる異なる無線アプリケーションが工場内の同一環境下に配置される場合には、無線共存管理のための周波数資源の管理手法の標準化が重要となる。つまり、共存管理を実行するために必要となる無線アプリケーションの共通的な用語、手順、管理パラメータなどを定義することが求められる。こうした背景から、工場・プラントで利用される無線通信を対象とした共存管理の規格開発が2009年よりIEC SC65C/WG17(無線共存)においてIEC 62657シリーズとして開始され、2022年4月に開発が完了した。 本稿では、IEC 62657シリーズの中で2022年4月に国際規格の開発が完了した、IEC 62657-2 ED3、IEC 62657-3 ED1、IEC 62657-4 ED1を中心に技術概要を紹介する。 |
2023年 |
産業用およびプロセス用計測機器の試験における 基準条件と手順IEC 62828シリーズの概要 |
IEC/SC65B/WG6 国内委員会幹事、国際エキスパート IEC 62828-5 国際プロジェクトリーダー IEC TC65 国内委員会・諮問委員会委員 飯島拓也(東芝インフラシステムズ株式会社) |
IEC/SC65B/WG6(名称:Testing and evaluation performance)は、試験と性能評価に関する標準(規格)を開発するワーキング(WG)である。一方、工業用計器(トランスミッタ)には物理量毎に様々な種類があり、個々に性能を定義した国際規格がある。このトランスミッタそのものを定義した規格に、評価方法という横串を入れて規格としてまとめているのがSC65B/WG6である。他のIEC TC65内のWGは、技術や機器毎に明確に分かれWG名称にその対象が明示されているが、SC65B/WG6に明確な対象が記載されていないのは前述の理由からである。 このSC65B/WG6で扱うトランスミッタを含め、昨今のフィールドデバイスのインテリジェンス化は目覚ましいものがある。インテリジェンス化されたデバイスは、高い信頼性が要求される工業用途の分野において、その導入による効率化及び情報統合の効果が期待されている。このため、現在では殆どのフィールドデバイスがインテリジェンス化され、計装ネットワークに組み込まれている。 一方、現存の規格を鑑みると、どれも1990年代~2000年代前半に開発されたアナログ時代のもので、主に個々の機器の機能(Function)を規定したものである(一部はJISの元となっている)。これらの規格は性能(Performance)を評価していないため、計装ネットワークへ接続後の動作・性能を確認する明確な基準が存在しない状態であった。 インテリジェンス化されたトランスミッタを評価することと、新たに規格を作成するのではなく既存規格に集約することをスコープとして2011年にIEC 62828シリーズの開発が開始された。また、IEC 62828シリーズの流量計を扱うIEC 62828-5は、筆者が国際プロジェクトリーダー(PJL)にアサインされて編集することとなったため、JEMIMA内に「流量計評価規格WG」を設置して開発を行った。 今回、IEC 62828シリーズとしてプロセス計測に用いられる4大変数である圧力・温度・レベル・流量と総則の5つのパートが、表1のようにIS(国際規格)として発行されたので紹介する |
2022年 |
国際標準化活動報告 新規提案特集 新規提案からグローバルの技術動向をつかむ(2020~2022年) |
IEC TC65国内委員会 |
IEC TC65は、毎年数十件に及ぶプロジェクトの新規提案 (注記記載のNP、DTR、DTS、DPAS)があり、それらの審議・投票が行われている。新規提案の状況は、製品や市場に多大な影響のある国際標準化の動向として重要である。そこで、TC65国内委員会は会員企業に対して新規提案状況の概要を報告している。本誌Vol.58, No.3(2021年7月)では、2019年1月から2020年11月までの新規提案について紹介した。本稿は、その第2報とし表1に示す2020年11月から2022年4月までの新規提案の中から、特に重要とされる3件について経緯や審議状況について報告する。 1) IEC 63278-2, -3 アセットアドミニストレーションシェル 2) IEC TR 63283-2 スマートマニュファクチャリング - ユースケース 3) IEC 63082-1 インテリジェントデバイス管理 報告にあたっては、特に「ビジネス的観点と背景」の節を設け、読者が事業への影響や方針を検討できるようわかりやすい記述を心掛けた。また、標準の内容はまだ確定しておらず、今後の議論で変わっていくのだが、標準開発に参加している国際エキスパート(筆者)の個人的な解釈や見解を盛り込むことにした。例えば、標準の日本語名称、スコープ抄訳や今後の進め方等は、公的に決定あるいは報告されたものではないことを付け加えておく。 |
2022年 |
フィールド機器のシステム統合技術の進化(その2) |
IEC/TC65/SC65E/WG4 国内委員会幹事、国際エキスパート |
IEC/SC65E分科委員会は「企業システムにおける装置および統合(Devices and integration in |
2022年 |
フィールド機器のシステム統合技術の進化(その1) |
IEC/TC65/SC65E/WG4 国内委員会幹事、国際エキスパート |
IEC SC65E 分科委員会は「企業システムにおける装置および統合 (Devices and integration in |
2022年 |
国際標準化活動報告 |
IEC/TC65国内委員会 |
2021年11月4日~18日に開催された、TC65プレナリ会議(総会)について報告する。 |
2021年 |
製造業DXを支える相互運用規格 |
IEC/TC65/SC65E/WG8 国内委員会幹事 |
近年、急速に進むデジタル変革(DX)の潮流の中、製造業ではデータ駆動により操業効率を最大化する取 |
2021年 |
国際標準化活動報告 |
IEC TC65国内委員会 |
IEC TC65国内委員会では、日頃様々な規格を開発している。主な開発行為は二つあり、日本から新規提案をすることと、海外から提案された新規提案の審議・投票である。新規提案が国際投票により採択され開発が開始される際には、基本的には委員募集および国内ミラーWG(ワーキンググループ)を設立し、国際回覧文章の審議・投票・コメント等を行う。さらに、WGによっては、日本から国際エキスパートを選出して国際WGへ参画し、規格開発への国際的な貢献を行っている。このような規格開発の主要なトリガーとなるのはNP(New Work Item Proposal新業務項目提案)に代表される新規提案(表1-1の注1参照)である。新規提案される技術や製品は、コンソーシアムで作られたものや国又は企業がその技術を国際的な標準とするためのものなど様々で、新規提案の内容を知ることは、最新技術や世界の技術動向を知る上で重要である。今迄は新規提案があると委員募集案内を出すことで情報提供としてきたが、近年新規提案に伴い相次いで新規WGが発足するなど、国際的に動きが活発になっており、従来の情報提供方法だけではタイムリーな技術動向把握が難しくなっている状況である。そのため、本稿では表1-1のように2019、2020年の新規提案をリスト化し、その中で国内委員会が選定した特に重要と思われる新規開発プロジェクトを紹介する(記事は記載欄の章を参照)。これら重要プロジェクトの紹介は、「ビジネス的観点と背景」という節を設け、各社の商品戦略の参考にして頂くべく、できるだけわかりやすく紹介した。いずれも開発が開始されたばかりのプロジェクトであり、日本を含む各国のコメントで大きく変化していく可能性はある。しかし、規格開発作業に参画している国際エキスパートの、現時点での個人的な解釈・見解をあえて盛り込むことで、わかりやすい解説を試みた。 |
2021年 VOL.58 No.2 |
計測展2020 OSAKA JEMIMA委員会セミナー スマートマニュファクチャリングを支える基礎技術の最新動向 |
IEC TC65国内委員会 |
IEC TC65国内委員会は、計測展2020 OSAKAにて委員会セミナーを開催した。「スマートマニュファクチャリングを支える基礎技術の最新動向」をテーマに、産業用IoTを支える基盤技術として工業用無線と産業セキュリティ、及びEMC関連技術と標準の最新動向を紹介した(表1)。当日はCOVID-19影響下での開催にもかかわらず、多数のお客様にご来場いただき盛況なセミナーとなった。また、計測展初の試みとして展示会終了後にオンデマンドによる配信も行い、多数の方にご視聴いただいた。本稿では、委員会セミナーのダイジェスト版として、各講演内容の要旨を紹介する。 |
2021年 |
IEC/SC65C/WG18および関連組織における産業用TSN(Time-Sensitive Network)に関する標準化動向の解説 |
IEC/SC65C/WG9 国内委員会幹事・国際エキスパート、IEC/SC65C/WG18 国内委員会幹事・国際エキスパート |
スマート製造や産業用IoTの普及が進むにつれ、各種産業用制御機器同士や制御機器と上位のERPやITシステムとを結ぶ産業用ネットワークは重要性を増している。特に同一Ethernet回線で、制御通信のリアルタイム性を維持したまま、情報通信を実現したい要求が増えており、それらを実現する技術として産業用TSN(TSN-IA:TSN for Industrial Automation)が注目を浴びており、すでにTSN対応を前面に押し出す産業用ネットワークも生まれている(CC-Link IE TSN、OPC-UA over TSN、PROFINET over TSNなど)。IECにおいてもIEC/IEEE60802 TSN for Industrial Automationの標準化がIEC/SC65C/WG18とIEEE802.1 TSN TGとの協力の下進められている。 TSN-IAについての審議の動向や最近始まった認証制度に関する議論などを紹介する。 |
2020年VOL.57 No.4 |
IEC/TC65/SC65A/WG4におけるIEC 61326シリーズ |
IEC/TC65/SC65A/WG4 国内委員会幹事・国際エキスパート |
近年、電気装置で問題が発生してノイズ対策を行うというよりは、製品の設計段階でのEMC設計という観点からノイズに関する問題が取り扱われている。ここでは、電気装置のEMC(Electromagnetic Compatibility)について、IEC 61326シリーズの規格の変遷と、要求事項について解説する。」EMCは電磁両立性と訳されている。両立性とは、図1に示すように、電気装置は、電磁的妨害源にならないことを示すエミッションを満たすこと、なおかつ、電磁的な干渉を受けないで動作することを示すイミュニティを満たすことである。電気装置の設計、製造、試験で扱うEMCについて、規格の要求事項を説明する。 |
2020年 |
IEC TC65プレナリ 会議 |
IEC/TC65国内委員会 |
2020年3月30日~4月3日に開催された、TC65プレナリ会議(総会)について報告する。当初、オランダ国内委員会の主催で、同国デルフト市での開催が予定されていたが、3月12日付でTC65セクレタリから、COVID-19の影響によりオランダでの会議開催が不可能となり、Web会議形式で開催することを決定した旨の連絡文書が発行された。TC65国内委員会から、日本代表として国際エキスパート8名が事前登録に従って参加した。4月3日のTC65プレナリ会議では、全体では19か国より約70名のエキスパートが参加した。IECの中で先陣を切って開催されたWeb会議形式のプレナリ会議であったが、大きな混乱もなく開催を迎えることができ、活発な討議が行われた。 |
2020年 |
IEC TC65/WG16における |
IEC TC65/WG16国際エキスパート |
IEC TC65/WG16デジタル・ファクトリにて開発を進めているデジタル・ファクトリ・フレームワーク(以降、「DFフレームワーク」と表記する)は、データ辞書の利用とデータの構造化のためのルールを定義することにより解決を図る国際標準である。データ辞書とは、その属性や分類を基本要素とし、それをコンピュータによる処理を可能とした辞書で、有名なものではIECのCommon Data Dictionary(CDD)やドイツのeCl@ssなどが知られている。DFフレームワークではこれらのデータ辞書そのものは定義せず、引用のための一定の条件を満たしたデータ辞書(CDD以外のものも含む)を活用してデータを構造化するためのルールを規定することで、最終的にはデジタル・ファクトリと呼ばれる製造システム全体のデジタル表現を構築可能とし、その情報を種々の場面で広く活用できるようにすることを狙いとする。 |
2020年 |
IEC TC65国内委員会 |
IEC/TC65国内委員会 |
IEC TC65国内委員会は、IIFES2019にて委員会セミナーを開催した。「産業用IoTで製造現場をスマート化」をテーマに、産業用IoTを支える基盤技術として無線ネットワークと産業セキュリティ、それらの標準開発を担当するIEC TC65の最新動向を紹介した。当日は多数のお客様にご来場いただき、盛況なセミナーとなった。本稿では、委員会セミナーのダイジェスト版として、講演内容の要旨を紹介する。 |
2019年 |
IEC/TC65/JWG17 |
IEC/TC65/JWG17 |
本稿では、「工場とスマートグリッドのインタフェース」の技術仕様書であるIEC TS 62872-1第2版(2019年6月発行)について紹介する。スマートグリッドでは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電設備が接続され、また、工場やビル、住宅からも電力が供給されることができる。そのため、電力の需要側と供給側の双方でより高い頻度での電力の計測やその結果に基づいた電力消費量の予測値などが行われ、その情報がやり取りされる。これらの情報に基づき、発電量や電力需要量変更の対応により、両者間で発生する無駄の削減が期待されている。スマートグリッドでは、この電力の計測値や予測値を活用した需要量や供給量の調整を通じて、再生可能エネルギーの出力不安定を低減する技術として大きく期待されている。この規格開発は、日本が規格提案を行い、ワーキンググループ(IEC/TC65/JWG17)の主査を日本が務めるなど、日本が中心となって開発された。 |
2019年 |
IEC/SC65E/WG8 |
IEC/TC65/SC65E/WG8 国内委員会幹事 |
近年、様々な業種、企業、人、機械、データなどがつながる Connected Industries や、産業用IoTが新たな潮流として現れるなか、「つなげる、伝える、安全に」を実現する技術としてOPC UAが注目されている。OPC UAは、産業用オートメーションや、制御装置間の相互運用を規定する国際標準である。2008年に、IEC の専門委員会TC65(工業用プロセス制御)の下の分化委員会SC65E(企業システムにおける装置及び統合)に、WG8というワーキンググループ(以降IEC/SC65E/WG8またはWG8と称す)が創設され、IEC62541(OPC Unified Architecture)シリーズとして国際規格の開発が開始された。現在も活動は継続されており、これまでに、技術報告書を含め13の国際規格が発行されてきた。 本稿では、OPCが開発されるに至った経緯を紹介し、WG8の審議内容やOPCの最新動向を紹介する。 |
2019年 |
IEC/SC65A/MT61508-1/-2 |
IEC/TC65/SC65A/MT61508国内委員会幹事 |
IEC 61508は、プロセス産業分野での重大事故が契機となり技術開発と標準化が進んだ背景から、TC65/SC65A(システム一般)が担当しており、SC65Aの直下に設置されている2つのMT(メンテナンスチーム:後述)が現在、第3版(Edition 3.0)を審議している。メンテナンスとは、国際規格として発行済みの規格を保守・更新するための規格文書を定期的に見直しする作業である。TC65国内委員会は、これらのMTに国際エキスパートを派遣し、積極的に活動している。本稿では、IEC 61508の第3版(Edition 3.0)に向けての2つのMTにおける審議内容や国際会議の様子を中心に紹介する。 |
2019年 |
IEC TC65 プレナリ会議 |
IEC/TC65国内委員会 |
TC65プレナリ会議は、その担当分野である"工業用プロセス計測制御"に関わる国際標準開発に関する最高意思決定の会議体であり、1年半毎に開催され、各標準開発プロジェクトの進捗報告や組織運営上の課題解決などの協議と議決などが行われる。今回は、SC65AからSC65Eまでの4つのサブコミッティーのプレナリ会議後に、TC65のプレナリ会議が行われた。TC65国内委員会は、日本代表として国際エキスパート8名と事務局1名の総勢9名を派遣し、全体では15か国より約50名のエキスパートが参加して、活発な討議が行われた。以降に各会議のトピックや様子を紹介する。 |
2018年 |
IEC/TC65/WG20 |
IEC/TC65/WG20国内委員会 幹事、IEC/TC65/WG20国際エキスパート |
IEC TC65では、安全については機能安全規格IEC 61508が1999年-2000年にかけて制定され、現在では水平規格として他の分野でも幅広く参照されている。また、「産業分野」のセキュリティについてもIEC62443が2009年に基本規格が制定され、各国の政策に取り入れられ普及してきている。これらの両規格にまたがる「産業分野における安全とセキュリティに関連する枠組み作り」について日本から提出された新業務項目提案が投票の結果、22ヶ国中21ヶ国の賛成で承認され、出町公二氏(横河電機株式会社)をコンベナー(作業グループ主査)にしてTC65/WG20 (安全とセキュリティのフレームワーク)がスタートした。 |
2018年 |
IEC/SC65C/WG16, WG17 |
IEC/TC65国内委員会 SC65C共同幹事 無線担当、IEC/SC65C/WG16, WG17国際エキスパート |
工業用無線ネットワーク関連の国際標準化活動を紹介する。スマートマニュファクチャリングを支えるフィールドネットワーク技術の一つとして、省配線化、ネットワーク構築の柔軟性、拡張性などの優位性から工業用無線ネットワークが製造現場に導入されており、最近は、「無線計装」として国内ユーザにも広く認知されている。工業用ネットワークに関する国際標準化活動は、IEC/SC65Cが担当しており、無線通信関連は、SC65C/WG16(無線ネットワーク)とSC65C/WG17(無線共存)の2つの作業グループ(WG)で構成されている。TC65国内委員会は、工業用無線ネットワークの国際標準化に国際エキスパートを派遣し、積極的に活動している。本稿では、これらのWGの審議内容や国際会議の様子を中心に紹介する。 |
2018年VOL.55 |
ISO & IEC Joint Working Group 21 |
IEC/TC65国内委員会 |
スマートマニュファクチャリングに関する国際標準で重要な要素になり得るのが、「スマートマニュファクチャリング参照モデル」であり、その開発をISO & IEC Joint Working Group 21 Smart Manufacturing Reference Model(s) (JWG21)が担当している。生産そのもののデジタル・モデル化を進めており、複数の企業やシステムから構成される共創型ビジネスモデルを基に、モノと情報が「つながる」「わかりあえる」ために、複数のライフサイクル間でモノと情報を「つなげる」参照モデルの標準化を目的としている。 |
2018年VOL.55 |
IEC/TC65国際標準化と最新動向 |
IEC/TC65国内委員会 |
連載テーマの第1回として、本稿では、IEC/TC65の活動概要と最新動向の概要に触れるとともに、TC65国内委員会の取組みと、事務局としてご支援いただいているJEMIMAの役割について紹介する。本連載を通して、国際標準化活動の現場で何が起きているのか、また経営的にどんなインパクトがあるのか、ご理解を深めていただければ幸いである。 |
セミナー等での標準化動向の講演(国際標準化の啓発)
JEMIMAの主催・共催する展示会等でのセミナー等での講演について最近のものを紹介します。
日時 | 場所 | 講演タイトル | 講演者 | 概要 |
2024年2月 | IIFES2024 JEMIMA委員会セミナー 【IEC/TC65国内委員会】 | サステナブルな未来実現に貢献するIEC TC65国際標準動向 | 梶尾 恭弘(アズビル) 松本 高治(横河電機) 大野 敏夫(横河電機) 関野 宏美(横河電機) 小野寺 康雄(三菱電機) 金川 信康 (日立製作所) | IEC TC65は、工業プロセス計測制御に使用される国際標準を作成し、サステナブルな未来実現のための技術開発に貢献している。本セミナーでは、2023年3月にイギリス/ロンドンで開催されたTC65総会で審議された内容を中心にTC65国際標準化活動の最新動向を紹介する。 |
2022年10月 | 計測展2022 OSAKA JEMIMA委員会セミナー 【IEC/TC65国内委員会】 | 社会のデジタル化とサステナブルを支えるTC65 |
大野 敏生 (横河電機) |
IEC TC65は、工業プロセス計測制御に使用される国際標準を作成し、プラントのデジタルデータ利活用に貢献している。近年のデータ爆発では、データを如何なる機器・装置・システムでも使えるようにするインターオペラビリティが重要であり、そのベースとなるデジタル銘版、制御機器のセキュリティ規格を紹介する。 |
2022年1月 | IIFES2022 JEMIMA委員会セミナー 【IEC/TC65国内委員会】 | 製造業のデジタル変革を支える相互運用技術 |
大野 敏夫(横河電機) |
近年、デジタル変革の潮流の中、従来のオートメーションピラミッドの特徴(安全性、信頼性、可用性)を活かしつつ、最新の情報技術を緩やかに融合させる新たな生産システムのアーキテクチャが生まれようとしてます。今回は、このパラダイムシフトの背景と変革の鍵となる相互運用規格に着目してIEC/TC65の活動を紹介します。 |
2020年10月 | 計測展2020 OSAKA JEMIMAパネルディスカッション | 製造現場のデジタライゼーションを加速する国際標準化 |
国内委員会委員長 |
第四次産業革命の潮流を受け製造業においてデジタル化が加速しています。産業のマザーツールである「計測と制御」は製造現場の様々なデータを有し、これらのデータを利活用した製造現場のデジタライゼーションに直結します。本パネルディスカッションでは製造業の将来展望を議論します。 |
2020年10月 | 計測展2020 OSAKA JEMIMA委員会セミナー 【IEC/TC65国内委員会】 | スマートマニュファクチャリングを支える基礎技術の最新動向 |
加藤 泰輔 (富士電機) |
産業用IoT活用においては無線計測器の追加導入やIT機器の持ち込みに対するEMCやセキュリティ対応が求められるようになってきた。止められない産業プロセスに、産業セキュリティを確保しつつ、工業用無線を安心導入するポイントを紹介し、現場の電磁環境の変化とエミッションやイミュニティの要件をお伝えする。 |
2019年11月 | IIFES2019 JEMIMA委員会セミナー 【IEC/TC65国内委員会】 | 産業用IoTで製造現場をスマート化 |
長谷川 敏(横河電機) |
産業用IoT活用には無線センサの追加導入が効果的。ただし簡単にできるが落とし穴もあります。止められない産業プロセスに、産業セキュリティを確保しつつ、工業用無線を安心導入するポイントを紹介すると共に、産業用IoTの中心分野で国際標準化に取り組んでいるIEC/TC65の活動を紹介します。 |
2018年10月 | 計測展2018 OSAKA JEMIMA委員会セミナー 【IEC/TC65国内委員会】 | スマートマニュファクチャリングにおけるセキュリティ |
松本 高治(横河電機) |
スマートマニュファクチャリング関連規格化動向とその安全を支えるセキュリティを説明する。IoTによる生産性や品質の向上、新サービスなど新たな動きは新たな脅威・リスクを呼ぶ。セキュリティ被害実例を示し、その対策となる標準化の動向と、その規格を盛り込んだ製品化についてセキュリティの認証を元に説明する。 |
国際標準化表彰(国際標準化の啓発)
IEC TC65国内委員会より TC65国内委員会の活動に貢献した個人を推薦し その労に報い 人材の確保 育成に資することを目的としております。下記に最近の授章者を紹介します。(所属等は受賞当時)
国際標準化活動 奨励賞:国内委員会の委員のうち 若手で 今後の国際活動が期待できる人に贈る
国際標準化活動 貢献賞:国内委員会の委員のうち ベテランで 多年に亘り委員会の運営に貢献された人に贈る
年度 | 表彰内容 | 授章者(所属は授賞当時) | 授賞理由 |
2024年度 | 貢献賞 |
石原 弘司(いしはら ひろし)氏 TC65: TC65国内委員会諮問委員会委員、評議会委員 TC65/WG16(デジタルファクトリ) 国際エキスパートおよび国内委員会委員 |
1)TC65国内委員会の前身のJEMIMA TC65戦略研究分科会に2006年から参加し、TC65国内委員会運営規定の草案作成や諮問委員会の立上げ等、TC65国内委員会活動の礎を築いた。 2)第1活動期から現在に至るまで16年間の長きに渡り諮問委員を務め、第4活動期には諮問委員会幹事としてJEMIMAエネルギー環境政策委員会や製品安全・EMC委員会から諮問委員会への委員派遣等の関連組織との連携強化を図った。 |
2024年度 | 奨励賞 |
王時 暁楠 ニコル(おうとき しょうなん にこる)氏 TC65: TC65/WG16(デジタルファクトリ) 国際エキスパートおよび国内委員会幹事 TC65/JWG21(SM参照モデル) 国際エキスパートおよび国内委員会委員 |
1)スマートマニュファクチャリングの根幹となる参照モデルやデータモデルの専門家であり、 TC65/WG16国内幹事として国内の意見集約につとめるほか、多くのIEC規格やホワイトペーパーにおいて、 エキスパートやエディターとして日本からのインプットに貢献している。 2)現在も IEC/TC65/JWG21において、日本提案のTR作成プロジェクトのメインエディターをつとめ、海外のエキスパートとの協力のもと日本のカイゼン活動を基にした事例のインプットを行っており、今後も広く活躍が期待できる。 |
2023年度 | 奨励賞 |
寺田 雄紀(てらだ ゆうき)氏 TC65: SC65C/WG12(機能安全フィールドバス) 国際エキスパートおよび国内委員会委員 SC65C/WG9(産業用通信ネットワーク) 国際エキスパートおよび国内委員会委員 |
1)IEC 61784-3(工業用コミュニケーションネットワーク)は、安全通信規格であり、より厳しくなる改定にプロジェクトリーダとして参画し、IEC 61784-3-19(日本発の産業用安全通信規格)をこの規格に追加するNP提案を行い、承認を得た。この開発は、産業用ロボットの安全性を高め、日本のロボット業界のプレゼンス向上に貢献する。 |
2022年度 | 奨励賞 |
志水 義信(しみず よしのぶ)氏 TC65: SC65B/WG7(PLC) 国内委員会幹事 TC65/JWG13(安全要求) 国際エキスパートおよび国内委員会委員 |
1)SC65B/WG7(PLC)及びTC65/JWG13(安全要求)の国際エキスパートとして、IEC 61131-2、IEC 61010-2-201の開発で国内の意見集約とその反映に尽力すると共に、両規格のJIS化においても主導的に貢献した。 2)国際活動で得た知見や人脈、国内委員会やJIS化作業における知見を基に、今後のさらなる活躍が期待される。 |
2022年度 | 奨励賞 |
野水 拓馬(のみず たくま)氏 TC65: SC65C/WG9(フィールドバス) 国際エキスパートおよび国内委員会委員 SC65C/JWG10(工業用ケーブル) 国際エキスパートおよび国内委員会委員 SC65C/WG18(TSNフィールドバス) 国際エキスパートおよび国内委員会委員 SC65C/WG12(フィールドバス機能安全) 国内委員会委員 |
1)SC65C/WG9及び JWG10の国際エキスパートとして、産業ネットワーク規格ファミリに日本発のADS-Net を加えることに大きく貢献した。 2)多くの有線系産業ネットワーク規格の開発にも参画し、国際会議では積極的な提言で影響力を発揮すると共に、実務経験による深い技術的知見を基に多くのキーマンとの信頼関係を構築しており、今後のさらなる活躍が期待される。 |
2021年度 | 奨励賞 |
加藤 泰輔(かとう たいすけ)氏 所属: 富士電機株式会社 TC65: SC65C/WG17(無線共存)国内委員会幹事および国際エキスパート SC65C/WG16(無線ネットワーク)国内委員会委員 他に、JEMIMA産業計測機器・システム委員会工業用無線技術調査・WG副主査 |
1)SC65C/WG17国内委員会幹事として、IEC 62657シリーズの円滑な文書審議のために、無線共存管理のプロセスなどの解説資料を作成・共有すると共に、国際会議ではPart間の整合性の観点で多くのコメントを提供し文書品質向上に大きく貢献。 2)無線技術の知識を活かした国際標準化活動への積極的な取り組み姿勢は、国内のみならず、国際での評価も高く、また国内でのJEMIMAを通した普及活動への取り組みの評価も高く、今後のさらなる活躍が期待される。 |
2021年度 | 奨励賞 |
前田 兼作 (まえだ けんさく)氏 所属: 横河電機株式会社 TC65: TC65/JWG13(安全要求)国内委員会委員および国際エキスパート |
1)IEC TC65/JWG13-203TF国際エキスパート及び国内委員として、特にIEC 61010-2-203(通信回路の安全要求)の文書審議で多数のコメントを提出し、国内委員会のみならず、国際会議でも積極的に議論に参加し、当該規格の適用範囲の明確化と既存規格との整合に大きく貢献。 2)強い責任感と、安全規格を含む技術知識を活かした国際標準化活動への積極的な取り組み姿勢が高く評価されており、今後のさらなる活躍が期待される。 |
2020年度 | 奨励賞 |
三井 聡(みい さとし)氏 所属: 三菱電機株式会社 TC65: TC65/WG16(デジタル・ファクトリ) 国内委員会幹事および国際エキスパート |
1)TC65/WG16(デジタル・ファクトリ)国内委員会幹事および国際エキスパートとして、また、TC65/WG16 国内委員会が担当する関連する国際WG を含む多数の審議において、日本意見の集約および規格への反映に尽力する他、国内委員会への展開にも貢献。 2)今後のデジタル・ファクトリならびに、スマートマニュファクチャリングに関する国内・国際規格審議での貢献が期待される。 |
2020年度 |
奨励賞 |
石川 郁光 (いしかわ いくひこ)氏 所属: 横河電機株式会社 TC65: SC65B/WG6(試験及び評価法)国内委員会委員およびJEMIMA 産業計測機器・システム委員会 流量計評価規格WG 主査 |
1)SC65B/WG6 国内委員会委員として、IEC 62828-5 の開発と審議において、日本意見の集約および規格への反映に尽力すると共に、国際プロジェクトリーダの支援にも貢献。 2)流量計のセンシング技術を中心にトランスミッタに対して高い評価技術を有しており、SC65B の技術分野の国際活動において、さらなる活躍が期待される。 |
2019年度 |
貢献賞 |
小野寺 薫(おのでら かおる)氏 |
1)複数のWGにおける幹事および国際エキスパートとして、規格の文書審議では的確なコメントによる文書品質の向上に貢献する他、IEC 61069パート6のエディタとして文書作成で貢献。 |
2019年度 |
奨励賞 |
岡部 基彦(おかべ もとひこ)氏 |
1)SC65A/WG4(電磁両立性要求)幹事および国際エキスパートとして、IEC 61326 ed2(2012) の開発では、日本意見の集約および規格への反映に尽力する他、国内委員会への展開にも貢献。 |
2019年度 |
奨励賞 |
新井 直人(あらい なおと)氏 |
1)SC65A/MT61511国内幹事、TC65/WG20国際エキスパートとして、IEC 61511 Ed2:2016の開発や、国内審議、情報共有に貢献。 |
2018年度 |
貢献賞 |
荒井由太郎(あらい よしたろう)氏 |
1) IEC/SC65C/WG17国内委員として、WG17国内委員会の会議に積極的に参加し、国際規格策定時の国内審議に大きく貢献した。特に産業オートメーションの長い経験を活かして、いかに無線技術を製造現場に導入していくかの視点から、具体的な運用に至るまでの問題意識をもち、国内委員会の技術的なレベルアップに尽力した。 |
2018年度 |
奨励賞 |
壽見 隆良(すみ たかよし)氏 |
1)SC65B/WG14国際エキスパートおよび、国内委員会幹事として分析計関連の国際標準化の国内審議にあたり、日本の意見反映に向けた国内調整および提案に大きく貢献した。 |
2017年度 |
貢献賞 |
桑 俊司(くわ しゅんじ)氏 |
1)SC65B/WG7 (PLC)国内幹事として、国内意見を取りまとめるとともに、IEC 61131シリーズの制定に貢献 |
2017年度 |
奨励賞 |
金澤 怜志(かなざわ さとし)氏 |
1)SC65B/WG16(無線伝送器用電源)国際エキスパートとして、国際WG会議への参加および東京会議を計測会館にてホストするなど、積極的に標準化活動に貢献 |
2016年度 |
貢献賞 |
山崎 洋(やまざき ひろし)氏 |
1)SC65E/WG2で策定している製品諸元LoP(Lists of properties)の国際審議にあたり、国内組織を取りまとめて、規格制定に貢献した。また、TC65国内委員会諮問委員会戦略グループSG101にて、LoPに関連するWGを取りまとめて、関連する課題の解決に尽力した。LoPの登録先であるIEC 61360 CDDを策定するSC3Dの国内委員会にも参画して、TC65国内委員会としてのリエゾンとして大きく貢献した。 |
2016年度 |
貢献賞 |
深田 彰男(ふかだ あきお)氏 |
1)国際においては機能安全およびEMC規格の適切な修正のためのコメント提出をした。また、TC65プレナリを通じて、EMC規格の適切な方向修正を提案するなど、関連規格の策定に貢献した。一方国内においても機能安全規格の制定にあたり、国内組織を取りまとめて、全パートのレビューを実施し、適切なコメントを提出して、ドラフト修正に貢献した。機能安全規格のJIS化においては精力的に尽力された。また、EMC関連規格では、業界規格だけでなく、一般規格の策定にも貢献した。 |
2016年度 |
奨励賞 |
高山 仁(たかやま ひとし)氏 |
1)TC65/JWG14国際会議に参加し、2013年2月の葉山及び2015年9月の金沢での日本会議招聘と運営に尽力し、IEC/TR 62837の制定に貢献した。 |
2015年度 |
貢献賞 |
加納 俊之(かのう としゆき) |
1)平成14(2002)年にJEMIMA PA・FA計測制御委員会下のTC65戦略研究分科会に委員として参加し、TC65標準化活動の調査・研究に従事しTC65国内委員会の設立に貢献した。その活動は現IEC/TC65国内委員会の礎を築いた。 |
2015年度 |
奨励賞 |
小坂 哲也(こさか てつや) |
1)SC65C/WG16 工業用無線標準規格(IEC 62591/62601/62734)開発 |
2014年度 |
貢献賞 |
布野 俊彦(ふの としひこ) |
1)2008年から2013年までIEC/TC65国内委員会諮問委員会に諮問委員として参画し、諮問委員会の活動を通じて、技術セミナーや講演会などの開催に尽力。産業オートメーション分野における国際標準化活動の重要性の認知に努められた。 |
2014年度 |
貢献賞 |
藤井 稔久(ふじい としひさ) |
1)IEC/SC5E/WG8(OPC UA)国内委員会幹事および国際エキスパートとして規格化に貢献。特に、OPC-UAの技術的専門家として、国内審議に大きく貢献した。また、国内委員会幹事として、的確に国内審議を進め、国内委員会内の技術的な理解の共有を促進するとともに、適切な文書審議の環境を提供した。 |
2014年度 |
奨励賞 |
小野寺 薫(おのでら かおる) |
1)TC65/WG15 エンジニアリング図書規格(IEC 62708 Ed 1)開発:国内委員会発足時にはEPCメンバの委員登録、審議参画を推進。幹事と して、WG15始め、関連するTC65/WG18(因果関係マトリクス)とSC65E/WG3(コミッショニング)の国内審議も担当。 |
2013年度 |
貢献賞 |
金田 一 (かなだ はじめ) |
長年に亘り組織を超えた教育・指導を続けられ、多くの有能な国際エキスパートおよび 国内委員を育成し、日本国内委員会の実力向上に大きく貢献され、また、国内委員会評議会委員として、技術的な面、戦略的な面、組織運営的な面などで、経験に基づく有益な指導者をして、日本国内委員会の国際的な地位向上と活動の活性化に大きく貢献された。 |
2013年度 |
奨励賞 |
黒川 晋平(くろかわ しんぺい) |
TC65/WG16: Digital Factoryデジタル・ファクトリに参画し、国内幹事として国内をまとめる一方、国際エキスパートとしてWG会議に継続して参加され、ドラフト策定の一部を担当するなど実際の国際標準規格策定活動にも参画。また、TC65/WG12: P&I P&ID、65E/WG9: オートメーションMLの国内審議も担当され、オートメーションシステムの上位側との接続に関して国際標準化活動に大きく貢献されている。 |