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エネルギー効率化のためのシステムアプローチ入門(平成26年7月)
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エネルギー効率(Energy Efficiency)の高い低炭素社会の実現を目指して、産業界・ビル・家庭・運輸など様々な分野でのソリューションと共通の社会インフラ基盤が求められている。特に産業オートメーションでは従来生産性向上の一環として取り組まれてきた省エネルギー策が、単独の設備や組織を対象とするレベルから複合的なシステムレベルでの最適化へとシフトしつつあり、より高度な計測・制御技術の活用も急務となっている。
このような背景を受けて、国際標準化組織や地域・業界組織がその社会全体に通じたアプローチを整え、高エネルギー効率社会への移行を推進している。なぜエネルギー効率を上げるために標準が必要なのか?自律分散した管理単位が最高のパフォーマンスで運用されていれば良いとも言えるが、現実的にはその管理単位の設定や施されているパフォーマンスの向上手段が設備や施設、プロセス、企業の組織によってその場限りの解決策になっていることが多く、必ずしも全体として効率良い結果に結びついていないケースもある。最終的な細かい管理・運用の方法はその場に与えられている条件下で当事者が定めるにしても、その考え方や実装・評価に対して統一したアプローチで望むことで効率の向上が狙いやすくなる。特に上述の複合的なレベルでの見方は「システムアプローチ」としてのガイドが必要であるとの認識から、IEC/TC65やISO/TC242ではこの視点に沿った「アプローチを示した国際標準」の開発が用語の整理とともに進められている。
一方、産業オートメーションの現場では省エネの成功事例も増えてきている。本入門書ではこれらの事例から導き出されるアプローチを国際標準用語を使いながら整理してみた。 企業のエネルギー効率化を推進する立場にある方、省エネ・プロジェクトのリーダーおよび現場担当者の方々のご活動の参考にしていただければ幸いである。
目 次
1. はじめに
2. 基本用語解説
2.1. エネルギー効率の管理単位 (EMU)
2.2. エネルギー効率化のための管理指標 (KPI)
2.3. エネルギー効率の評価計測 (Baseline)
2.4. EMUの状態 EMU Status
3. エネルギー管理の手順
4. 効果的なエネルギー効率化のために
4.1. エネルギーの流れを把握する
4.2. エネルギー管理単位EMUを設定する
4.3. エネルギー管理指標 (EnPI)を設定する
4.4. 全体最適を考慮する
5. おわりに