「工業用無線の導入ガイド」の会員向け公開について

 モノのインターネット(IoT)の潮流に乗り、国内の産業オートメーション分野においても様々な無線ネットワーク技術が製造現場で利用されている。その目的は、工場の生産性や稼働率向上、現場作業支援、自主保安力強化のための製造設備の監視強化や予防保全、安全管理、環境保全など多岐にわたる。このような多様な目的で無線ネットワークを利用したIoT応用の成功事例が新聞紙面等でも広く報告されている。

 一方で、重要な社会インフラを担う工場やプラントでは、従来の有線計装と比較した場合の信頼性への懸念から、無線計装の導入に躊躇しているユーザ様も一定数存在するものと推察する。その背景には、無線は有線と異なり見えない電波を通信媒体として利用していることから、電波干渉に伴う通信障害やセキュリティのへの懸念などが挙げられる。さらに工場は、多様な製造設備で構成されているが、それぞれの状態監視に合致した無線技術の選定指針や応用事例、導入時の留意事項などを体系的に解説した文献が少なく、工業用無線の導入に関する基礎的な知識習得の機会が提供されていなかったことも要因として考えられる。

 (一社)日本電気計測器工業会(以下、JEMIMAと呼ぶ)産業計測機器・システム委員会の工業用無線技術調査・研究WGは、このような状況を鑑み、工業用無線技術の普及推薦を目的に工場やプラントのユーザ様、エンジニアリング会社様、工業用の無線機器を提供するベンダ様に向けて、工業用無線をご理解いただく簡易な解説書として、本「工業用無線導入ガイドブック」を発刊するに至った。主な掲載内容には、工業用無線の応用事例、導入手順、電波伝搬の基礎、無線ネットワークの維持管理のための無線共存管理に関する事項が含まれる。

 本ガイドブックが、工業用無線技術の理解と現場への導入促進の一助になれば幸いである。

一般公開用サンプル:JEM_IM23S01_工業用無線の導入ガイド.pdf

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