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調査報告書「JEMIMA DX推進検討TF-WG2による電気計測機器の将来像の検討」(2023年4月)
JEMIMA DX 推進検討 TF WG2 エグゼクティブサマリー
JEMIMA の重点的な活動において、2021年5月より、「ニューノーマル時代のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進による工業会活動の進化」をテーマとする活動が始まった。その傘下で、産業のマザーツールである電気計測器が、社会システムのDX化が進行するなかで、将来にわたり産業界の基盤を支えるための関り方を検討した。
(目標と選定分野について)
社会システムが DX 化するトレンドを把握し、電気計測機器の関り方を検討することを直接的目標とし、副次的目標として情報調査の方法を JEMIMA 資産として残すこととした。
JEMIMA と深い関りのある化学工業プロセスに着目し、昨今のエネルギー課題の有望な解決策である水素を取り挙げ、さらに水素製造プロセスに焦点を絞り、電気計測機器との関連性を検討した。
(背景情報の調査)
政府発表のエネルギー基本計画を端緒とし、経済産業省、資源エネルギー庁、関連する協議会の発表資料およびアカデミアの報告を概観し、水素製造プロセスの要点を洗い出した。特に商用として最も有望視されている水電解について、深堀した。
実地調査として、福島県双葉郡浪江町に 2020 年 3 月より稼働している福島水素エネルギー研究フィールドを訪問し、現地の専門家からプロセス稼働用電力供給、水電解による水素製造、水素ガスの輸送までの、一連の流れと課題について情報を得た。
(電気計測機器の関り)
水電解装置を構成する要素とフロー図をもとに、WG メンバーの所属する会社の技術と製品の関り方をまとめた。装置内部の部品に関ること、フローに関ること、電力・電源のセンシングに関わること、水素濃度・圧力測定に関わること、供給電源の監視システムに関すること、水素エネルギーシステム全体に関することなど、多岐にわたる知見を得た。
(DX 活用への橋渡し)
持続可能なサプライチェーンを実現するために、電気計測機器と DX 化を活用することをユースケースの形で思考した。水素製造設備の安定・安全稼働、装置の長寿命化、保全性向上、ソフトセンサによる製造データ品質の向上、デジタルツインによる製造プロセスのスマート化促進等について、可能性が挙げられた。また、水素製造における最新の法規制の整備状況を把握し、ISO/IEC 規格制定において、JEMIMA がデジタル指向をもって参画する必要性を指摘した。
(報告書名)
「JEMIMA DX推進検討TF-WG2による電気計測機器の将来像の検討」(全57ページ)