調査報告書「コト売りビジネス調査報告」(2024年8月)

【エグゼクティブサマリより】

(はじめに)

計測制御業界のB2Bビジネスでは、これまでも「コト」のためにハードがあることが前提 である。デジタルトランスフォーメーション(以下DX)による技術革新により、計測制御業界では、データ収集と分析によるCBM (CBM:状態保全基準)や、CFP (カーボンフットプリント)に代表される製造時に発生するCO2の可視化など「コト」をビジネスとして実現できる可能性が生まれている。コト売りタスクフォースでは、「コト売り」に関する適用効果に関する普及・啓発を目的に調査・検討結果を会員企業向けの報告書をまとめた、本書が「コト売り」概要の理解と検討材料の一助になれば幸いである。

(コト売りビジネスとサブスクリプション)

「コト売り」とは何かがタスクフォースメンバー内でもあいまいであったため、当タスクフォースでは「コト売り」を『製品・サービス自体ではなく、その使用を通じて得られる体験や感動といった価値に焦点を当てて展開するマーケティング・営業活動』と位置付けた。

(サブスク基礎知識)

サブスクリプションとリース等の違いの整理や、JEMIMA会員の分かり易さを考慮し、最 低限のポイントに絞り込んでサブスクリプションビジネス構築時の利用規約のポイントを整理した。

(計測値を含むデータの取り扱いと品質保証)

一般社団法人データ社会推進協議会のガイドブックやホワイトペーパを参考に、データの品質に関わる国際規格やセンシングデータの品質評価に関する調査内容を整理した。

(コト売りとソリューション)

会員各社においてもコト売りも含むソリューションサービスについて検討が進められている。会員企業の皆様がコト売りに関する検討を進めるにあたり、計測・制御機器やシステムにおけるユースケースが提示できるとイメージが湧きやすくなると想定し、会員各社のコト売りも含むソリューションサービスの事例の調査結果をまとめた。

(新しいビジネスモデルの機会と脅威)

将来的に計測・制御機器やシステムに関するコト売りが普及するにつれて、計測機器の顧客価値の本質である測定データのみを顧客に販売するような形態が登場することも想定される。このような、新しいビジネスモデルの機会と脅威について、当タスクフォースの検討・考察結果と今後の課題についてまとめた。

(まとめと課題)

調査活動を通じて、コト売りとは、顧客への新しい価値(観)の提供、顧客への行為や結果など価値の本質の提供であると再認識した。データの利活用を進めて商品化するにあたり、品質保証やセキュリティ、データを交換し対価を得るためのプラットフォームなどの仕組み作りが必須となることが分かった。データ交換のプラットフォームにはデータ処理企業など異業種の参入の脅威もあり、当タスクフォースでは計測制御業界として、信頼性の高いデータ提供と提供したデータに見合った対価を得られるようなルール形成は必須であると考える。

調査報告書「コト売りビジネス調査報告」

<目次>
1. はじめに
2. エグゼクティブサマリ
3. コト売りビジネスとサブスクリプション
4. サブスク基本知識
5. コト売りにおける関係者の期待、便益と課題
6. 計測値を含むデータの取り扱いと品質保証
7. コト売りとソリューション
8. 新しいビジネスモデルの機会と脅威
9. 課題
10. まとめ

JEMIMA会員向け版 JEMIMA調査報告書_コト売りビジネス調査報告~DX時代のビジネス変革のために~.pdf
(全39ページ)

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